医師や看護師の間で、しばしば問題になるのが、患者の無断離院です。
入院中の患者が、医師や看護師に無断で外出してしまう、この無断離院。 ケースとしては稀ですが、生命に関わる問題にもなりかねません。時には責任問題に発展することさえあります。
更に、無断離院が発生してしまうと、医師や看護師などのスタッフが捜索することになりますが、通常業務に上乗せされる形になるので、大きな負担になっています。
無断離院をしないようにと入院時に説明をしても、全ての入院患者がそれを遵守するわけではないのが実情です。
今回、そんな無断離院の対策として、「顔認証」という新たな検出方式を採用し、従来セキュリティが抱えていた問題を解消する 「顔認証徘徊システムLYKAON」の導入をご紹介したいと思います。
無断離院とは
まず、無断離院についてですが、無断離院とは、入院患者が医師や看護師に断りなく病院から出ていくことです。
無断離院の要因
無断離院が発生してしまう要因は以下の通りです。
- 離院時の報告の必要性を患者が十分に理解していない
- 認知症など症状に起因するもの
- 本人の強い意思決定による意識的なもの
- ストレスによる精神錯乱、心神喪失によるもの
- その他
従来セキュリティが抱える問題
医療施設には安全管理義務があり、患者の安全管理をしなければなりません。
患者の無断離院も、時に生命に関わる事態に発展してしまうこともあり、医療施設は安全管理義務の下にそれを阻止する義務があります。
しかし、無断離院の対策として、セキュリティカメラを導入したり施錠をしたりといったセキュリティを導入していても、 実際には完全なセキュリティ機能を果たしていないことがあり、完全ではありません。
スタッフ間の共有が人任せ
従来セキュリティのセキュリティ・ホールとも言える問題の多くは人的ミスによるものです。 病院外に離院してしまったことに気づいても、「大したことではない」と個人の裁量で判断してしまい、対応や報告をせず、問題になってから初めて報告をする。 これは、セキュリティにより離院を検知しても、スタッフ間への共有が人に任されていることに起因する問題です。
センサーの反応に慣れてしまう
また、認知症患者などに対してセンサーマットや赤外線センサーなどを使用していても、離院以外の目的でセンサーが動作することもあり、 誤作動とは言わずとも本来の目的以外にセンサーが反応してしまうことで、スタッフがセンサーに慣れてしまい、意識が薄れてしまうことも、人的ミスに繋がってしまいます。
無断離院対策として顔認証システムを導入
顔認証徘徊防止システムLYKAONは、従来のセキュリティ方式とは異なり、「顔認証」という検出方式を採用しています。 これは、万引きの防止システムとして発展してきた技術で、個人の顔情報をカメラが識別し、特定人物を検知した時のみに反応し、警告するというシステムです。
いざという時のみに反応
従来のセンサー方式などでは、センサーに感知される全ての人物が対象となっています。 そのために、入院患者以外にも反応してしまい、スタッフの危機意識が結果として薄れてしまいます。
顔認証方式を採用することで、システムが反応する対象を特定人物のみとすることができます。つまり、本当に無断離院が発生した時のみに作動するので、スタッフの危機意識が薄れてしまうということもありません。
スタッフのスマートフォンや携帯電話、PHSに即時通知
顔認証徘徊防止システムLYKAONは、対象人物の検知つまり無断離院を検知すると、複数のスタッフのモバイル端末に通知をします。 スマートフォンであればアプリを介したプッシュ通知、携帯電話やPHSであればメールによる通知を行います。
これにより、現場にいる特定のスタッフだけではなく、非番の医師や経営者を含む関係者全てに対して無断離院が発生したことを即座に共有することが可能に。スタッフ間の共有が自動化されるので、管理者による指揮が執れるようになります。